守りながら攻める!コア・サテライト戦略

投資戦略

これから資産運用をはじめる方に向けて、投資リスクを抑え安定した利益を得られるよう、長期、積立、分散されたインデックスファンドに投資することをおすすめしてきました

しかし、長期投資だけでは、資産形成のスピードが緩やかになりますし、基本的には同じ商品を積み立て続けるだけですので、おもしろみがない投資法ともいえます

投資を続けていく中で、さまざまな経験や知識が身につき、「新たな投資をしてみたい」と思われる方もいるでしょう

そこで、リスクを抑えた安定したリターンを狙いながら、リスクを上げて高い収益性も狙う投資方法が、コアサテライト戦略と呼ばれる投資法です

本記事では、長期積立投資より、アグレッシブな投資がしたい方向けに、コアサテライト戦略について解説します

コア・サテライト戦略とは

コアサテライトの「コア」は、資産運用の中核を意味し、リスクを抑えた守りの投資戦略を意味します

つまり、これまでおすすめしてきた、長期、積立、インデックスファンドによる分散投資で、リスクを抑えながらも長期的に安定したリターンを狙っていく戦略がコアにあたります

将来の教育資金や、老後資金など、目的は人によって様々かと思いますが、いわゆる「失敗できないお金」です

一方、コアサテライトの「サテライト」は、リスクを上げて、より大きなリターンを狙う攻めの投資戦略を意味します

つまり、個別株、暗号資産、新興国株、投資信託のアクティブファンドなど、よりリスクを上げた投資対象に広げて、大きなリターンを狙っていくという戦略です

この2つの戦略を合わせたものが、コアサテライト戦略といい、インデックスファンドで安定した資産を得ながらも、ピンポイントで、ハイリスクな投資で大きなリターンも狙っていく投資戦略になります

コアとサテライトの投資比率は、個々のリスク許容度によって変わりますが、コア7、サテライト3、またはコア8、サテライト2のバランスで考えるとよいでしょう

あくまでもコアが資産形成のメインで、安定したリターンを固めつつ、サテライトは投資の学び、趣味などの感覚で、余剰資金のうち少額からはじめることが重要です

コアサテライト投資対象

コア投資対象例
  • 全世界株式インデックスファンド
  • 全米株式インデックスファンド など
*VT:ベンチマークはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスETF。全世界の大型、中型、小型株約8,000銘柄で構成されているインデックスで、全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしている。
VTI:CRSP USトータルマーケットインデックスETF。米国企業の大型〜中小型株約4000銘柄で構成されているインデックスで、米国市場のほぼ100%をカバーしている。
google financeより作図

コアとなる投資対象としては、長期、積立、分散されたインデックスファンドがおすすめです

10〜15年をチャートで振り返り、長期的に成長している銘柄が、コア投資に向いているといえるでしょう

SBI証券[旧イー・トレード証券]

サテライト投資対象例
  • 個別株
  • 投資信託(アクティブファンド)
  • 新興国株
  • 暗号資産
  • ハイレバレッジ商品* (*指数の基準価格が数倍の値動きになるよう設定された商品)
  • FX
  • 信用取引 など
google financeより作図

サテライトの投資対象としては、上図のように、コアのインデックスファンドよりもハイリターンが期待できる銘柄を選びます

政治経済、社会情勢などのファンダメンタルズ分析や、株価チャートのテクニカル分析、各企業の決算書などを参考にしながら、その時点、または近未来の旬な銘柄に投資を行います

長期的に上昇が期待できる銘柄は、保有し続けたりもしますが、分析結果によっては一時的な株価上昇を狙う短期売買が必要になるケースもあります

当然ハイリスクな投資対象になりますので、くれぐれも投資用余剰資金のうち、コアの投資資金を抜いた資金で行うようにしましょう

サテライト投資をおすすめできない方

おすすめできない方
  1. 余剰資金がない方
  2. 人の意見を聞かないと投資判断ができない方
  3. 分析をしたくない方
  4. ルールを守れない方

1.余剰資金がない方

サテライト投資は、預金(数ヶ月間の生活用の現金、15年以内に使う予定の現金など)やコア投資資金(教育用、老後用のインデックスファンド)を抜いた余剰資金で行うべき投資です

コアサテライト戦略は、コアの投資が十分にできていることが前提になりますので、サテライトの投資がメインにならないように注意しましょう

2.他人の意見を聞かないと投資判断ができない方

サテライト投資は、ハイリスク商品に投資を行います

売買のタイミングは、人の意見を聞いた後では、遅いということはよくあることです

投資は自己責任、自己判断で行うもので、もしも損失が生じた時、決して他人の責任にすることはできません

自分で投資判断ができない方は、値動きが乱高下しやすいサテライト投資はやめておくべきでしょう

3.分析をしたくない方

先ほどから何度もお伝えしていますが、ハイリスクな商品では資金を0にしてしまうこともあります

今日の10万円も、年利7%で30年運用すれば、複利によって、約5倍にもなります

余剰資金とはいえ、資産を増やしたいのなら、少しでも利益確率を高める努力は必要でしょう

経済や決算書、チャート分析などの勉強することができない方は、サテライト投資はおすすめできないといえます

4.ルールを守れない方

サテライト投資は、時に大きなリターンが得られたり、大きな損失に繋がったりすることで、感情的になりやすい投資法です

予め、どの程度のリターンが得られたら決済する、どの程度の損失までは許容できるといった、ルールを定めておくことが重要です

感情的になってルールを破り、強欲になって決済できない、損失が膨らんで、使ってはいけない資金にも手を出したりするなど、自分が決めたルールを守れない方は、サテライト投資は、やめておいた方がよいと思います

最後に

コアサテライト戦略は、資産形成のスピードを高める目的で行う投資法ですが、そもそもインデックス投資のパフォーマンスを超えることは、プロの投資家でも困難といわれています

「投資で億り人になった」、「〇〇%の含み益だ」といった、他人の声が気になる時もあるかと思いますが、資産形成は他人と比べるべきではありませんし、目標とする資産や家族構成、年齢、投資元金など、前提が違う時点で、比べることはできません

また、人気や話題になっているハイリスク銘柄は、既に暴落の危険性が高まっていると認識しておくべきです

あくまでも自分の資産を守ることを先決に、相場に長く居続けることを意識するとよいでしょう

本記事が、これから投資をはじめる方や、長期投資の次の投資を考えておられる方の参考になれば嬉しいです

質問やご意見がありましたら、コメント欄かTwitterでメッセージをいただけますようお願いします

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